EXR PowerGrid の使い方
EXR PowerGrid は、発電機で電気を作り、電線でつなぎ、照明・電気炉・電光板などの電気製品を動かす送配電システムです。
このガイドは、まず小さな回路を動かし、その後に配線を広げていくための手順をまとめています。
部品やツールは潮川 スポーンセンター2階のEXR電気商会でエメラルドを使って購入できます。
販売品は商品カタログをご覧ください。
1. まず灯りをつける
最初は、発電機1台と照明1つだけで試します。近くに置いて、低圧結線工具でつなげば動きます。
- 携帯発電機を置く。
- 発電機を右クリックし、燃料スロットに石炭などの燃料を入れる。
- 発電機の近くに照明を置く。
- 低圧結線工具を持つ。
- 発電機を右クリックして選択する。
- 照明を右クリックして結線する。
照明が点けば成功です。点かない場合は、先に 7. 点かない・動かないとき を確認してください。
2. 基本操作
結線する
結線工具で2つの部品を順番に右クリックすると、その間に電線を張れます。
- 結線工具を持つ。
- 1つ目の部品を右クリックする。
- 2つ目の部品を右クリックする。
低圧の部品には低圧結線工具、高圧の部品には高圧結線工具を使います。遠すぎる場合や、電圧が合わない場合は結線できません。
電線を外す
すでに直接つながっている2点を、同じように結線工具で選ぶと、その電線を撤去できます。
発電機を操作する
- 右クリック: 発電機のGUIを開く。
- Shift+右クリック: ブレーカを操作する。
発電機は、稼働中は負荷が小さくても燃料を少しずつ消費します。使わない回路はブレーカを切ると燃料を節約できます。
スイッチ・ブレーカを操作する
スイッチやブレーカは右クリックで操作します。ブレーカがトリップしている場合も、原因を取り除いてから右クリックで復帰します。
部品を撤去する
部品を壊すと、対応するアイテムとして戻ります。発電機は中の燃料も返却されます。大型のマルチブロック部品は、どのブロックを壊しても全体が撤去されます。
3. 小さな回路を広げる
照明を増やすときは、発電機から直接すべての照明へ引く必要はありません。電柱や中継ボックスを置き、そこから分岐できます。
発電機 ── 電柱 ── 照明
└── 照明
低圧配線は近距離向けです。長く引くほど電圧が落ち、同じ線に多くの機器をまとめるほど負荷が大きくなります。近場の照明や小さな設備から始め、広い範囲へ伸ばすときは高圧送電を使います。
4. 遠くへ送る
遠い場所へ電気を送るときは、高圧で長く引き、使う場所の近くで低圧へ戻します。
発電機(6,600V) ─[高圧]─ 電柱 ─[高圧]─ 変圧器 ─[低圧]─ 電柱 ─[低圧]─ 照明
- 中型以上の発電機は 6,600V 出力なので、そのまま高圧線へつなげます。
- 変圧器から先は、低圧結線工具で照明や設備へつなぎます。
- 変圧器は、電気を使う場所の近くに置くと扱いやすくなります。
200Vの電気炉などは、動力用の変圧器から配線します。100Vの線につないでも動きません。
5. よく使う部品
発電機
燃料を消費して電力を供給します。出力電圧が100Vのものと6,600Vのものがあります。発電機の定格出力を超える負荷をつなぐと、保護のために止まります。
照明
通電すると周囲を照らします。消費電力、最大光量、照射半径は型番ごとに異なります。
携帯発電機 ─[低圧]─ 電柱 ─[低圧]─ 街灯
└[低圧]─ 蛍光灯
小さな照明回路は、発電機から電柱へ出し、電柱から各照明へ分けると扱いやすくなります。
電柱・中継ボックス
配線の曲げ、分岐、引き回しに使います。見通しよく置いておくと、あとから回路を追いやすくなります。
変圧器
高圧と低圧をつなぐ部品です。長距離は高圧で送り、使う場所の近くで100Vまたは200Vへ変換します。
高圧発電機 ─[高圧]─ 電柱 ─[高圧]─ 変圧器 ─[低圧]─ 照明
100V用の照明や設備には100V変圧器を使います。200Vの電気炉などには動力用の200V変圧器を使います。
サーキットブレーカ
回路を保護する部品です。定格を超えるとトリップし、下流を切り離します。区画ごとに入れておくと、問題が起きた場所を分けやすくなります。
発電機 ── 主幹ブレーカ ── 電柱 ── 区画ブレーカ ── 照明
└── 区画ブレーカ ── 電気炉
大きい回路では、全体用のブレーカと区画ごとのブレーカを分けると、問題が起きた範囲を切り分けやすくなります。
集約器
複数の発電機や下位集約器をまとめ、1本の出力として扱います。発電所を大きくしたいときに使います。
発電機 ─┐
発電機 ─┼─ 集約器 ─[高圧]─ 変圧器 ─[低圧]─ 設備
発電機 ─┘
電気炉
電力で精錬する炉です。燃料スロットは使いません。通電していて、投入物があるときだけ動きます。
変圧器(200V) ─[低圧]─ 200V電気炉
200Vの電気炉は、200Vを出す動力変圧器から配線します。
電光板
壁掛けの電子看板です。看板の文字を表示し、通電時だけ点灯します。
テスター・電流計・電圧計
回路の状態を見るための道具です。テスターは部品を右クリックして、型番や定格に加えて、その地点の電圧と公称比、各区間の電流・電力・損失を確認できます。
電流計は線の途中に直列で入れ、その区間に流れる電流・電力・損失を本体に表示します。電圧計は線に1本つなぐだけで、その地点の電圧と公称比(電圧がどれだけ下がっているか)を表示します。電圧が落ちて照明が暗い・つかないときの原因探しに向いています。
計器は高圧用と低圧用に分かれています。低圧の線には低圧計器、高圧の線には高圧計器を使ってください。低圧計器は壁付けの小型、高圧計器は1ブロックの装置です。
大型の発電機・集約器(高圧クラス)には負荷率の表示盤が内蔵されており、今どれくらいの負荷がかかっているかを本体で読めます。
自動点滅器
街灯を夜だけ点けて燃料を節約したいときは、自動点滅器を使います。鉄ブロックの上に日照センサーが載った部品で、回路の途中にスイッチのように入れます。
- 夜閉路(PC-01N):暗くなると通電し、明るくなると遮断します。街灯向けです。
- 朝閉路(PC-01D):明るくなると通電し、暗くなると遮断します。昼間だけ動かしたい設備向けです。
切り替えは時刻に合わせて自動で行われるので、手動操作は不要です。右クリックすると現在の状態(通電/遮断)を確認できます。
6. 診断の流れ
うまく動かないときは、感覚で線を増やすより、テスターや電流計で場所を絞る方が早いです。
- 発電機に燃料があるか見る。
- 発電機、スイッチ、ブレーカが入っているか見る。
- テスターで発電機や変圧器を確認する。
- 電流計やテスターで、どの区間に電流が流れているか見る。
- 電圧計やテスターで、電圧がどこから下がっているかを見る。
- 電圧不足、容量不足、電圧違い、結線ミスのどれに近いかを判断する。
見る場所に迷ったら、発電機側から順にたどります。電気が来ている場所と来ていない場所の境目を探すと、原因を見つけやすくなります。
7. 点かない・動かないとき
燃料がない
発電機の燃料スロットを確認します。燃料が切れると発電機は止まります。
ブレーカやスイッチが切れている
発電機、スイッチ、ブレーカの状態を確認します。赤表示はトリップ、灰色表示は切または無電の状態です。
距離が長すぎる
低圧配線は長距離には向きません。遠くへ送る場合は、高圧線と変圧器を使います。
電圧が違う
100V機器、200V機器、6,600V系統はそのまま混在できません。機器の受電電圧と、つないでいる系統の電圧を確認します。
容量が足りない
発電機、変圧器、ブレーカ、ケーブルには定格があります。つないだ機器の合計が大きすぎると、トリップしたり下流が止まったりします。
結線できない
主な原因は、距離超過、電圧不一致、同じ2点がすでに接続済み、ループになる配線です。すでに接続済みの2点を選んだ場合は、結線ではなく撤去になります。
8. 電気の考え方
PowerGrid では、電気は「発電量が足りていれば必ず届く」ものではありません。距離、電圧、電流、損失、定格が関係します。
電力・電圧・電流
電力は 電圧 × 電流 です。同じ電力でも、電圧が高いほど電流は小さくなります。電流が小さいほど、電線で失われる電力も小さくなります。
低圧と高圧
低圧は近くの機器へ配るための電圧です。高圧は遠くへ送るための電圧です。拠点から離れた場所へ送るなら、高圧で引いて、使う場所の近くで変圧器を通します。
電圧降下
電線を長く引いたり、同じ線に多くの機器をまとめたりすると、末端の電圧が下がります。電圧が足りない機器は暗くなったり、動かなくなったりします。
目安として、低圧100Vで街灯を1灯だけつなぐ場合は、かなり長めに引いても動きます。一方で、同じ低圧線の先に街灯を何灯もまとめると、電流が増えて電圧降下も大きくなります。
次の例では、発電機 GX-500(携帯発電機・500W・100V)と、街灯 EL-80(80W・100V)を使います。
例A: 街灯1灯だけ
発電機 GX-500 ─[低圧 30b]─ 街灯 EL-80
→ 点灯しやすい
発電機 GX-500 ─[低圧 80b]─ 街灯 EL-80
→ まだ届くことがある
例B: 街灯をまとめて遠くへ送る
発電機 GX-500 ─[低圧 20b]─ 電柱 ─ 街灯 EL-80
├ 街灯 EL-80
├ 街灯 EL-80
├ 街灯 EL-80
└ 街灯 EL-80
→ かなり厳しくなる
発電機 GX-500 ─[低圧 30b]─ 電柱 ─ 街灯 EL-80 ×5
→ 末端側が暗くなる、または消えることがある
同じ30ブロックでも、1灯だけ送る場合と、5灯ぶんをまとめて送る場合では結果が変わります。距離だけでなく、線の先にある負荷の合計が重要です。
遠くへ送る場合は、高圧で運んでから近くで低圧に戻します。
例C: 高圧で送ってから低圧に戻す
高圧発電機 ─[高圧 96b]─ 電柱 ─[高圧 96b]─ 変圧器 ─[低圧]─ 街灯 ×5
高圧区間では同じ電力でも電流が小さくなるため、長い距離を扱いやすくなります。照明の近くに変圧器を置き、最後だけ低圧で配るのが基本です。
定格とトリップ
発電機、変圧器、ブレーカ、ケーブルには、それぞれ扱える上限があります。上限を超えると、保護のためにトリップします。トリップしたら、負荷を減らす、発電機を増やす、変圧器やブレーカを見直す、配線を分ける、といった対応をします。
たとえば、発電機 GX-500 は定格500Wです。街灯 EL-80 は1灯80Wなので、単純な消費電力だけなら6灯で480Wです。ただし実際には配線の損失もあるため、遠くへ引いた6灯回路は余裕が少なくなります。
発電機 GX-500 ─[低圧]─ 街灯 EL-80 ×6
消費: 80W × 6 = 480W
このような回路では、少し距離が伸びたり、他の機器を足したりすると定格を超えやすくなります。余裕を見たい場合は、発電機を増やす、負荷を分ける、高圧で送る、変圧器の近くで分岐する、といった方法を使います。
9. 片付け・引っ越し
- 電線は、結線工具で同じ2点をもう一度選ぶと撤去できます。
- 部品は壊すとアイテムとして戻ります。
- 大型部品は、どのブロックを壊しても全体が撤去されます。
- 発電機を撤去すると、中の燃料も返却されます。
10. 高度な情報
ここから先は、電気の計算を見ながら系統を詰めたい人向けです。普通に遊ぶだけなら、テスターと電流計で値を見ながら直せば十分です。
電力・電流・損失
電線を流れる電流は、電力を電圧で割ると求められます。
I = P / V
I: 電流(A)P: その区間より先で使う電力(W)V: 電圧(V)
電線で失われる電力は、次の式で計算されます。
loss = R × I² × L
loss: その区間で失われる電力(W)R: 電線の抵抗係数I: 電流(A)L: 電線の長さ(ブロック)
抵抗係数は、低圧線が 0.2、高圧線が 0.1 です。損失は電流の2乗で増えるため、同じ電力でも高い電圧で送るほど損失が小さくなります。
低圧で送る例
街灯 EL-80 は1灯80Wです。低圧100Vで5灯ぶんをまとめて送ると、合計は400Wです。
P = 80W × 5 = 400W
I = 400W / 100V = 4A
低圧線を30ブロック引いた場合の損失は、次のようになります。
loss = 0.2 × 4² × 30
= 96W
400Wを送るために約96Wが線で失われるので、かなり重い配線になります。これが、低圧で負荷をまとめて遠くへ送ると厳しくなる理由です。
高圧で送る例
同じ3kWでも、6,600Vで送ると電流はかなり小さくなります。
P = 3,000W
I = 3,000W / 6,600V ≒ 0.45A
電柱で中継しながら高圧区間を合計500ブロック引いた場合の損失は、おおよそ次の値です。
loss = 0.1 × 0.45² × 500
≒ 10W
同じ距離を低圧で送るより、ずっと損失を抑えられます。実際の回路では下流の損失も積み上がるため、テスターや電流計で確認してください。
電圧降下
電線を進むほど電圧は下がります。区間ごとの電圧降下は次の式で計算されます。
ΔV = I × R × L
照明は、届いている電圧が公称電圧より大きく下がると暗くなり、さらに下がると消灯します。低圧で長距離を引くほど、また同じ線に多くの機器をまとめるほど、末端の電圧は下がりやすくなります。
定格の見方
低圧線は30Aまでです。100Vでは最大3kW、200Vでは最大6kWを流せます。
100V × 30A = 3,000W
200V × 30A = 6,000W
高圧線は50Aまでです。6,600Vでは最大330kWです。
6,600V × 50A = 330,000W
ただし、定格ぎりぎりで使うと損失や電圧降下の影響を受けやすくなります。安定させたい回路では、発電機・変圧器・ブレーカ・電線のどれか1つだけでなく、全体に余裕を持たせます。
計算の割り切り
PowerGrid は、現実の電力系統を完全に再現するものではありません。ゲーム内で安定して動かし、プレイヤーが原因を追いやすくするために、いくつかの単純化をしています。
配電網は、木の枝のように分かれていく形を前提にしています。輪っかになる配線は作れません。どこから電気が来ているかを追いやすくし、計算結果が分かりにくくならないようにするためです。
複数の発電機が同じ回路につながっている場合でも、現実のように細かい潮流分担までは計算しません。各部品は、電気的に近い電源へ割り当てられます。どこかの電源が容量不足で落ちた場合は、残った電源で受け直せるかを再計算します。
電圧降下も、反復計算ではなく1回の計算で求めます。照明が暗くなったり消えたりしても、その場で負荷が細かく増減してチラつくような挙動にはしません。結果が読みやすく、テスターや電流計で原因を追いやすいことを優先しています。
そのため、現実の電気に詳しい人から見ると近似的な動きになります。PowerGrid では、細かい送電解析よりも「低圧で遠くへ送ると苦しくなる」「高圧で運んで近くで降圧する」「容量を超えると保護が働く」という判断がゲーム内で自然にできることを重視しています。
